『年収90万円で東京ハッピーライフ』を読んだ

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大原扁理さんの『年収90万円で東京ハッピーライフ』を読んだのでその感想 界隈ではよく挙げられるけど読んでいなかったのですが、何度目かの遭遇でようやく手元に来たので読みました。

第一章 ハッピーライフの基本とは

毎日どんな暮らしをしているのかざっくり書かれています。

第二章 フツーって、何?

いじめられた過去などのなかなか暗く辛い内容とダウンシフトの考え方。 ダウンシフトの考えや別に普通でもよくないかのようなこと自体は既に色々なところから触れてきているので特に目新しいところもなかった。 いじめの体験が生々しくてなかなか辛い。

第三章 衣食住を実感するくらし

衣食住別に詳しくどんな生活なのかを詳しく説明している。 具体的な暮らし、具体的な費用まで開示されているのでとても参考になると思う。

  • 家賃: 28000
  • 共益費: 1500
  • 固定費: 15000*1
  • 食費: 10000
  • その他: 5500*2

第四章 毎日のハッピー思考術

この章が個人的に一番面白く読めたし、おそらく一番著者の価値観がでている章だと思う。 第一章と第三章でどんな暮らしをしているかが書かれているがどんな考えや価値観でその暮らしを送るかになったかの大元の部分がここで書かれているからだと思う。

思ったこと 

いろんなところで語られるダウンシフトの考え自体は結構共通しているなー。

Bライフは山奥に一人で小屋を建てて生活、山奥ニートは山奥に古民家を活用しシェアメイトや地域と共生、本著では比較的都市での一人暮らし生活。ダウンシフトの実践としてバリエーションが増えてきている。自分に合いそうなものを選ぶことができそうで良さそう。 他の山奥系ダウンシフト生活とは違うという点において、題名に「東京」と入れるのは効果的だったなと感じた。

年収90万円というのは結構誰にでも達成できそうな収入だと思う。だけど、この生活が誰にでもできるかと言うとそうではなさそう。自炊能力を始めとする家事スキルや図書館を利用して読書を楽しむなどのお金を使わないで余暇を楽しむことができる能力が必要だからです。このような文化的資本のようなものがないとこの生活はできなさそうに思いました。ともあれ例えば現在家事ができないとしてもこの生活には時間はある。そういうことを楽しめるのが一番重要で、楽しめたら勝手に向上していく。だからもしかしたら既にできることはあまり重要ではなく、一番重要なのはこのような生活を楽しめることだと思う。

数は少ないけど大切な友人たちもいるし、実家に帰れば家族もいます。家がなくなってもみんなで少しずつ助け合って生きていけると思うので、そんなに慌てない感じです。(中略) 人と比べたら貯金はないけど、備えはあるといえるかもしれません。 もちろん自分がもらうだけじゃなくて、普段から困ったときにちょっとずつ助けあう、みたいな関係をつくっておくのが大切です。

橘玲の言う幸福のために必要な人的資本、金融資産、社会資本もしっかりありそうだし、やはり必要なものなんだろうなぁ。

僕は毎日コンクリートの上を一時間くらい散歩しているのだけど、もう少し自然のあるところを散歩したくなった。

*1:ネット代含む

*2:明文化されていないが「切り詰めれば月6万円台で生きていけるとあったあので6万-他の費用で算出した正確ではない値