一般企業に勤められる気がしない

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 僕は病気だ。大学生くらいのときから夏になると1ヶ月から2ヶ月ほど頭が痛くなる。たまに初冬にもなる。その期間ずっと痛いわけではなくて、1日に1か2回、1回につき1時間から2時間ほど痛くなる。僕の場合は右目の奥がひどく痛む。発作という表現が個人的にはしっくりくる。発作毎に痛みの度合いは違うのだけど、だいたいひどく痛む。のたうち回っている。右目を抉り出したくなることがよくある。悪魔が眼の奥に入り込んで針を突き刺し混ぜ回してると誰かが表現していたけど、よく理解できる。そのくせ1回の発作が収まるとそれまでの頭痛はどこへやら完全に回復するので、他人から過度に痛がるふりしてただけなのではないかと思われることもある。病院にいって色々検査もしたけど、群発頭痛ですと言われて根本解決はないようだった。原因は諸説あるようだけど、血管が膨張して神経を圧迫するので痛むというのをなんとなく僕は信じている。それで病院からは血管を縮小させる薬をたくさんもらってる。だから、この期間はアルコールなどは厳禁だ。あと煙草の煙でも誘発される。元々煙草は嫌いなのだけど、この期間は特に憎む。

 学生のときは授業を休んでもそんなに影響はなかった。それでも友達と遊びにでかけて頭痛がするので急に帰ったとかもあったので迷惑をかけている。社会人になってからはなかなか大変だった。営業職だったのだけど、商談前に発作がきたときは商談時間を変えてもらったときもあった。飲みの席で飲まざるを得ない状況で飲み、案の定発作がきたときはもうこの仕事を続けることはできないと思った。気軽にお酒を飲ませる諸兄がもしいたら控えて欲しい。内勤のときはスネークのように段ボールに隠れてサボってたときもあった。さすがそれはどうかと思い素直に上司に相談して1時間ほど別室で休ませてもらうようになった。その代わり昼休みも休みにせずに作業したりして補填した。ただ前述のように1,2ヶ月のうちほぼ毎日発作がくることが多いのでなかなか言い出しにくいというのもあった。なかなか理解のある職場だったなとは思う。

 また夏がきて頭痛の季節がきた。昨年の夏ぶりに病院にいって先生に久しぶりですと挨拶をして処方箋をもらって薬を手に入れた。前回の頭痛から1年ほど経っているので、久しぶりに体験するとやはり死ぬほど辛かった。人類は巨人の恐怖を思いだし、僕は頭痛の恐怖を思い出した。僕はいま無職なのだけど、幸運にも企業から内定をもらっており来月あたりからまた働く予定だ。通常の季節であればやってやるぜ!と意欲満々なのだけど、もう全然働ける気がしない。面接のときに健康状態を聞かれ、頭痛持ちですと答えはいたのだけど、毎日1時間程度の休憩を自由に取らせてくれるとは思えない。これからのことを考えると暗澹たる思いだ。

 だから、ゆくゆくは1年のうち頭痛シーズンは働かないことにしようと思う。働くにしても自分のペースでできることだけやろうと思う。今すぐには難しいかもしれないけれど、そういうライフスタイルを目指してこれから生きていこうと思う。夏は暑いのでせっかくなので避暑地にこもるようにしたい。生活コストは少なく、パソコンとネット環境だけでなんとかなるようにしたい。社会の一般的なフォーマットに無理に適応するのに身体がついて行かない。とりあえず、当面は一般企業で働こうとは思うけども、一番大事なのは自分の幸せなのでそれを意識して解雇されるか1年半勤めるまでは働こうと思う。スヌーピーが言うように配られたカードで勝負するしかないんだ。実際のところは、薬がよく効くことを望む。