シェアハウスの生活

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バタンッ!強烈な音で目を覚ます。ドアの開閉音だ。別にシェアメイトは怒っているわけではない。通常運転でドアの開閉が荒いのだ。

着替えてキッチンに朝ごはんを食べに行く。シンクには誰かが使ったままの食器類が溜まっている。コーヒーを入れてトーストを焼く。その間にヤクルトを飲む。週末に5本入りのものを買って、平日は毎朝1本ずつ飲むのだ。しかし、数が合わない。誰かに飲まれたらしい。食事を済ませ後片付けをする。ゴミを捨てようと思ったがゴミ箱は満タンを通りこして口が閉まらないほどになっていた。

トイレに行こうと思ってドアを開けたが便器のまわりに尿が飛散している。とても使う気にならない。駅のトイレの方がマシだと思いそのままドアを締める。身支度をしようと思ったが、誰かがシャワーを浴びていて使えない。もうそろそろ家を出ないと間に合わない。玄関に向かって靴を履こうとした。家の床の汚れで靴下の裏側は既にもう汚れていた。

今日の仕事もハードだった。家に帰ってきた。手を洗いうがいをしに洗面所に向かう。詰まり気味だからか、その場凌ぎにゴミ取りネットが外されていた。早晩本格的に詰まるだろう。最近雨が続いたせいか、洗面所は誰かの洗濯物で溢れている。乾燥機はエラーで異常停止していた。ご飯をつくろうとキッチンに行く。シンクには相変わらず食器が溜まっていたが今朝とは種類が違っていた。フライパンは大きいものと小さいものの2つ用意されているが、小さい方は誰かが使ったままコンロの上にそのまま放置されていた。大きい方はもうテフロン加工は禿げてしまっていて、歴代の使用者のコゲが積み重なっており、使う気にならない。仕方なく鍋を手に取ったところヌメっとした感触。なにかわからないがたぶん油だろう。さも洗った後のように片付けられていたが、使用感が残っている。フライパンは管理会社によって何度か交換されているが、鍋は2年以上交換されていない。食器も同じような清潔さだ。自炊する気がなくなったので、肉まんをレンジに入れて温める。レンジの中はいろんなものが飛び散っている。この前イギリス人がご飯を食っているときに美味しいか訊ねた。彼はIt's better than starving.と答えた。そう、飢えるよりはマシなんだ。

食事を終えて風呂に入ることにした。前述の通り脱衣所はパンパンだった。色んな人の洗面用具が散乱している。なんとか服を置くスペースを見つけて浴室に入る。シェアハウスの紹介HPでは立派なバスタブが写っていたが、回転率の問題からかフタが接着剤で固定されていた。シャワーしか浴びられない。ここ1年くらいはお風呂の排水も詰まり気味である。途中でシャワーを止めて水が流れきるのを待たないと洗面所に浸水するおそれがある。シャワーを浴び終えた。かつてはバスマットは2枚用意されていたがいつの間にか1枚だけになってしまった。湿ったバスマットはとても不快でさっぱりした気分にはならなかった。

部屋に戻る。階下のシェアハウスが窓に向けてタバコを吸っているようで部屋にタバコの臭いが入り込んでいた。建物内は禁煙だ。窓を閉めて寝ようとする。隣の部屋からバスドラムの低音が規則正しく聴こえてくる。耳栓をつけても中音はカットしてくれても80Hzの低音はカットしてくれない。眠れぬ夜は更けていく。

 

 

・住人の質は下振れする

鈍感な人や悪意のある人が得をするシステムなので、キレイ好きや几帳面な人が割を食う。最初はシェアハウスなんだし助け合わないと!と思ってもそれがずっと続きやる人が固定化していくと不平が溜まり退去していく。そして、住人の質はどんどん悪化していく。

・管理会社も変わる

最初の方はちゃんとしていたが、事業拡大なのかスタッフを雇った。そのスタッフがクソで率先してハウスルールを破るようなやつだった。ここで一気に住みにくくなった。またシェアハウスよりも民泊解禁からか短期宿泊の方が儲かるらしくそっちに忙しいようだった。

・ひとり暮らしより設備は良い!ただ、すべてが汚い。

シェアハウスのメリットのひとつにひとり暮らしでは使えないような設備があると思う。それは確かだと思うのだけど、そのすべてが汚いか故障している。乾燥機付きの洗濯機もある。大きなオーブンもある。広いシンクもある。セパレートで広いバスタブもある。しかし、その全てが使えないか汚い。